黒澤明とフェリーニと寺山修司

黒澤明は「画面の中の動き」を効果的に演出に用いているという。
Youtubeネタですが・・この方(映像編集者とのこと)のコンテンツはとっても面白くて充実していて、ついつい見ちゃいます。
https://www.youtube.com/watch?v=doaQC-S8de8

背景の人物や木の葉の動きだったり、カメラが人物の背後に回り込んで正面に移動したり。
動きが大きければ大きいほど、強い感情を観客に想像させることができるのだという。

フェリーニの「8 1/2」は、カメラが動きながらの長回しが多い。長回しというとフィックスで、少し退屈なのではと思われるかもしれないが
全く違う。人物が手前や奥に配置され、様々な表情で十人十色の個性。無意味な言葉の連続。目を離すことができない!
次第に主人公が現れ、それらの人々の間を下を向いて歩いていく・・表情はさほど見えなくても、観客は主人公の孤独、迷い、喧騒への嫌悪を想像することができる。
この「想像させる」ということが、「映画的表現」の中で重要なポイントではないかと感じています。
会話劇で言葉のニュアンスやそれによっての反応が大きな割合を占める場合、それは写真(又は風景動画)と会話だけ流している方がよっぽど作品らしいのではないだろうか?

アップ・引きのカット割りで見せるだけでなく、フレームの中の動きで観るものに想像させ、感情を高ぶらせる。
これこそが映画的表現で、この演出が上手いものが名作と言われているものではないかと、いまは思っていますがいかがでしょうか・・。

フェリーニ寺山修司について似ているなと感じたことが、「自分の母親」「過去に出会った女性」の存在が自分の中のトラウマとなっており、離れたいけど離れられない存在として描かれていること。
寺山修司フェリーニの映画やイタリア映画が好きだったというが、自分自身の過去の投影の仕方も参考にしたのかな?

 

ちなみに「8 1/2」は1回目観たときは全くわからなくて、でも印象的なシーンがいくつかあって記憶には残っていて。

2回目は気になっていたシーンだけを再生。カメラワークが変わってるかなという程度。確認したいシーンが度々あるので、itunesamazon videoで購入しようかと思っていたのだけど、ない・・。

しばらく忘れていたのですが、先日中嶋先生との会話でこの映画のことが出てきて、思い出して調べたところ、wowowオンデマンドで発見したのでした!

7/31までの期間限定配信です。観たい人〜急いで!

 

映画のフルコース。色々入って豪華、大満足!「悪い奴ほどよく眠る」

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 カンヌ国際映画祭の2014年のポスターにもなっていました!「8 1/2

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大ファンの三上博史さんのデビュー作「草迷宮」。6月に東京で舞台挨拶付きで再び拝見しました!

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